新御徒町うめづ行政書士事務所

一人親方は建設業許可は維持できるか?

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一人親方は建設業許可は維持できるか?

一人親方は建設業許可は維持できるか?

2024/03/18

行政書士のうめづです。

職人さんが建設業許可を保有して、大きい工事現場で受注するという需要があります。

理論上は建設業許可取得が可能です。しかし、法規制を見てると、制約が大きいよねえ…と思うことがあります。

 

建設業許可を取得するには「建設業の契約を自分の名前で作成しているのが5年以上」(経管)、「必要な資格を取得している、または実務経験が一定期間以上」(専任)、「自己資本(または残高証明書等で500万円以上調達が可能」(財産要件)、あと犯罪をしてないとか契約能力がちゃんとあるかなど、が必要です。

経管と専任は兼任ができる、というのが、一人親方でも建設業許可が取得できる根拠です。

 

ところが、専任技術者というのは、原則営業所に常勤している人です。つまり、原則は現場に出られません。

ただし、日中一歩も事務所から出ていけないわけではありません。

建設業関連は、法律とは別に通知を出すことがよくあります。その中の一つに、「営業所における専任の技術者の取扱いについて」というのがあります。

 

営業所における専任の技術者の取扱いについて(平成15年4月21日国総建第18号)

https://www.mlit.go.jp/common/000004806.pdf

 

この中に書いてあることを抽出すると

・当該営業所において請負契約が締結された建設工事であって

・工事現場の職務に従事しながら実質的に営業所の職務にも従事しうる程度に工事現場と営業所が近接

・当該営業所との間で常時連絡をとりうる体制にあるもの

であれば、現場の主任技術者になることができます。

 

具体的に何が問題になるか。主に「営業所と現場の距離」と、「現場従事中の営業所の状況」です。

 

「工事現場の職務に従事しながら実質的に営業所の職務にも従事しうる程度に工事現場と営業所が近接」は、具体例は明示されていませんが、一般的に直線距離10kmだと言われています。

建設業許可を取れば、会社が沖縄でも東京の仕事が取れる!と思っていたら、ここでアウトになります。

厳格な運用は行われていない状況ですが(たとえば11kmだから処分という話ではない)、現場の場所をとても意識する必要があります。

 

「当該営業所との間で常時連絡をとりうる体制にあるもの」というのは、つまり営業所には日中誰でもいいから人がいるべきだということです。

建設業は古い考えですから、専任技術者って元々ご隠居さんなんです。一方、経管は若旦那だったりして、現場専任(建築以外だと税込4000万円以上)案件以外は都道府県問わずどこの現場でも行けます。

※現場専任案件を受注してはいけないのは、専任技術者にも当てはまります!

そこで、ご隠居さんがいないなら、女将さんがいますよね?という考えで、この通知文章があります。

 

言い換えると、完全に独身の一人親方は、建設業許可を取った瞬間、誰か事務員(もしくは専任技術者として有資格者のOB)を雇うか、受注できずに営業所で餓死するかの二択問題になります。

あと、家族に依頼するにも、共働きで働いて日中無人ではいけません。自宅が営業所の場合、自宅で仕事してもらうか、日中外に出たくない人に依頼する必要があります。

 

建設業は、本当に人が財産なんだなあ…と思うことがあります。

建設業許可を取得するということは一人でもできるけど、その後は嫌でも人員を増やさなきゃいけない。そういう仕組みができています。

文字通りの一人親方は、実は成り立たないというお話でした。最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。

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